仕事でお目にかかったある会社の役員が履いていたのは、REGAL(リーガル)の黒いウィングチップです。向かい合った際に一瞬見えた靴底は、間違いなくリーガルの合成ゴムソールでした。ピカピカに光り輝いているわけではありませんが、しっかりと履き込まれた風合いがとてもカッコいい靴でした。
REGAL ウイングチップ 2589N
[リーガル] メンズ 2589 ウイングチップ(合成底)/ブラック (26.5 cm)
まさにリーガルらしいロングウィングチップで、ガラスレザーと合成ゴムソールの組み合わせです。2235NAのシボ革とレザーソールと同様に、歴史のあるモデルです。
■ウイングチップ[Wing Tip]
爪先の革の切り替えに使われる革片(チップ)が、翼(wing)のような形をしているので、名付けられました。爪先のブローグ(W型の模様穴飾り)も特徴で「おかめ飾り」ともいわれます。クラシックな雰囲気を演出するのに適したシューズです。
引用元 リーガルシューズ
手元にはありませんが、約6年間履いたガラスレザーのUチップ「REGAL JU15」。細かい擦り傷はあるものの、新品時よりも黒さが増し、全体的な艶も増したように思います。
当時は靴磨きにあまり興味がなく、たまに水拭きと乾拭きだけでした。乳化性クリームを使った手入れ(靴磨き)は年に一度程度でしたが、皺がヒビ割れすることもありませんでした。
20年以上も履いたREGAL 2701のコインローファーです。皺はかなり深く入っていますが、最近数年間は乳化性クリームを使った靴磨きをするようになりました。それでも靴には充分なツヤがあり、見た目は汚れた靴には見えないと思います。
ではなぜガラスレザーを嫌う記事がよく見かけられるのでしょうか。ガラスレザーに関してよく見かけるデメリットとしては、履き皺が目立つことやひび割れが生じる可能性があること、手入れが必要ないため靴磨きの楽しみが得られないことなどが挙げられます。
また、蒸れやすいといった点もガラスレザーに対して否定的な意見として頻繁に目にすることがあります。
ただし、これらは個人の意見であり、ガラスレザーには善し悪しの差が存在する可能性があると考えられます。スムースレザーのように、革の質や靴の価格によって皺の入り方や艶に違いがあるように、ガラスレザーにもそれぞれの特性が存在するのかもしれません。
REGAL(リーガル)のガラスレザーを使用した靴も、価格によって使われているガラスレザーの品質が異なる可能性があると思います。ガラスレザーに対して否定的な記事で取り上げられている靴は、質の良くないガラスレザーが使用されている可能性もあります。
ガラスレザーを使った靴は、わずかな雨や汚れにも神経質になることなく履け、水拭きや乾拭きだけでも十分にきれいになります。さらに、クリームを使って手入れ(靴磨き)すれば、ピカピカの艶が生まれます。
革靴に興味を持った際には、思い込みだけで避けるのではなく、魅力的な靴として選んでみてください。ガラスレザーの靴にはそれぞれの魅力がありますので、自身の好みや目的に合った靴を見つけてほしいと思います。
いつか履きこなしてみたいガラスレザーの定番プレーントゥ