毎年夏になるとビジネスシーンで履きたくなる「REGAL」ガラスレザーのローファー。今年は梅雨が長く続きましたが、そろそろ梅雨明けで履く機会も増えそうです。
今まで一度も水洗いはしたことがありませんでしたが、長年履いた靴をいたわる意味も込め靴の中も外も丸ごと水洗いをしてみました。
元々ベージュだったライニングも画像でみると、黒のソックシートと同化したように黒ずんでいます。靴の中まで洗うことは初めてですが、今回は永年履いたことで黒ずんだ起毛革の中敷き(インソール)をスエードシャンプーを使って洗い、乾いたあとの保革にはスエード・ヌバックトリートメントを使いました。
靴の中を洗うことで、目に見えない靴の中、コルクなどの詰め物やシャンクなどに悪影響が出るのではと正直不安を感じます。個人のブログなどで水またはお湯に靴を数十分つけ置きをする洗い方が紹介されていますが、20年以上前に作られた靴のためつけ置きはせず、スエードシャンプーを付けたブラシで洗うだけにしました。
それでもシャンプーの泡はすぐに黄色くなり、永年の汚れが浮き出たようです。靴の中を濯ぐお湯もしばらくは黄色く濁り続けます。汚れを残さないよう、濯いだお湯が透明になるまでしっかり濯ぎました。
靴の外側はスムースレザーの靴と同じようにサドルソープを使いました。この靴のケアには黒の乳化性クリームを使っていないためか、洗っている泡は白いままでした。また、履き終わりのブラッシングとたまに水拭きと乾拭きをしているためか、アッパーに汚れは溜まっていなかったようです。
サドルソープで洗い、乾燥させながらデリケートクリームを塗布しました。サドルソープで洗うことで、革の表面の汚れや油分が除去され、デリケートクリームが浸透しやすくなりました。
1回目のデリケートクリームは、あっという間に吸い込まれました。翌朝には、アッパーは湿った感じはなく、2回目のデリケートクリームを塗布しました。1回目ほど早くクリームは浸透せず、しばらくは革の表面が濡れたような感じでした。
さらに半日ほど乾燥させ、3回目のデリケートクリームを塗布しました。3回目は、さらに浸透するまで時間が掛かるようになり、これ以上の保湿は必要ないと判断しました。
水洗い後デリケートクリームを3回塗布したガラスレザーのローファー
スエードのデザートブーツを洗った後、起毛革はスムースレザーに比べて乾燥に時間がかかると感じました。アッパーは翌朝には乾きましたが、靴の中底はまだ湿っていました。そのため、キーパーを入れずに2日ほど乾燥させました。カビが怖かったこともあり、湿った感じがなくなった2日後に、保革のためインナーにスエード・ヌバックトリートメントをスプレーし、木製のシューキーパーをセットして1週間ほど乾燥を続けました。
完全に乾いたあとは、久しぶりに黒の乳化性クリームを薄く塗って仕上げました。洗ったあとのガラスレザーは、ふっくらとした柔らかい印象になり、黒ずんで見えたライニングも汚れが落ち、ベージュに戻りました。
梅雨時に行った水洗いでしたが、カビの発生もなく、靴の中はサラサラに仕上がり、長年履いた靴のリフレッシュをすることができました。暑さが本番になるこれから、気分良くローファーを履くことができそうです。